<1日の生活スタイルを見直しましょう>
新型コロナウイルス感染症によって、勤務形態や通勤時間、食事のとり方など、生活スタイルが大きく変わったという人も多いでしょう。このような変化は1日の生活リズム(睡眠・拡散リズム)を狂わせ、新たなストレス要因となります。「毎日不安で眠れない」「食欲がわからない」「お酒の量が増えた」などの状態が長く続いていたら、もしかするとうつ病をはじめとするこころの病気の兆候かもしれません。こころの健康を守るために、今一度、毎日の生活習慣を見直してみましょう。
~睡眠と目覚めのリズムを整えよう~
夜になると自然と眠くなり、スッキリと朝を迎えられれば、1日の生活リズムが整います。しかし、何らかの強いストレスを感じていると、睡眠の質が低下して日中の生活にも悪影響を与えてしまいます。このような状況になると、昼の間に生じたストレスが、さらに睡眠不足を招くという悪循環に陥ります。
◎ケース① 朝、スッキリと目覚められなくて…
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、これらの神経がバランスをとりながら働き、体内の環境を整えます。「交感神経」は、日中や活動時に活発になり、「副交感神経」は、夜間やリラックスしているときに活発になります。質の高い睡眠を得て、朝スッキリ目覚めるためには、就寝前に「副交感神経」の働きを優位にしておく必要があります。
★改善のヒント
●朝起きてすぐに太陽光を浴び、体内時計をリセット
●過度な疲労感が入眠を促すので、日中はできるだけ体を動かす。
●食事は就寝の3時間前までに など
◎ケース② 「早く寝なくては」と思うのですが、なかなか眠れません
「早く寝なくては」と焦ってしまっては、かえって眠れなくなってしまいます。眠気を感じてから寝床に入るようにすることで、徐々に睡眠リズムが整えられていきます。
★改善のヒント
●ブルーライトは交感神経の働きを活発にさせるので、就寝1時間前からパソコン・スマホの使用を控える。
●就寝前には、入浴なのでリラックス
●照明を少しずつ暗くして眠りやすい環境を整える など
~“こころの健康食生活”を実践しましょう~
ストレスの多い生活が続くと食生活が不規則になりがちです。また、健康維持に必要な栄養素が不足しているとストレスを感じやすくなる場合もあります。何をためるかに直接ストレスの原因をなくすことはできませんが、「規則正しくとる」「栄養バランスを考える」など、食事の時間を大切にすることは、こころの健康の維持・増進には、とても大切なことです。
◎ケース① 最近、つい朝食を抜いてしまって…
朝は睡眠時間を優先して朝食を疎かにしてしまう人が少なくありません。朝食を抜くと自律神経の乱れにつながり、イライラの原因となります。朝食を1日の生活リズムを整えるだけでなく、脳を活性化させ、集中力や運動能力を高めます。不要なストレスをため込まないために、食事は1日3食、規則正しくとりましょう。
◎ケース② 昼食は仕事をしながらが多いかな…
昼食を、マウス片手におにぎりやサンドイッチで済ましている人をよく見かけますが、忙しさでストレスがかかっているときほど、体は栄養を必要としています、忙しいからといって仕事をしながら、スマホを見ながらの「ながら食い」はやめましょう。食事は、ゆっくり噛んで味わって食べることで、脳の活性化を促し、集中力を高めます。
<食事は栄養バランスを考えて、さまざまな食品を取りましょう>
栄養に偏りが生じると、免疫力が低下して、感染症などの病気にかかりやすくなるだけでなく、ストレスを増加させる原因にもなります。多様な食品をバランスよく摂取することをこころがけましょう。また、たんぱく質や、ビタミン・ミネラルなどはストレス耐性を強化するので、積極的にとりましょう。