●あごの関節はどこにあるのでしょう?
あごの関節は「顎関節(がくかんせつ)」とよばれ,お口を開け閉めするための関節です。顎関節は耳の前にあり,下 顎頭(ががくとう)(下あごの付け根)という骨のでっぱりと下 顎窩(かがくか) (側頭骨の下端)という骨のくぼみで構成されています.下顎窩と下顎頭との間には関節円板があります。この関節円板は,帽子のように下顎頭にかぶさっていて,下あごが動く時,骨と骨とがすれないようにクッションの役割をしている組織です。関節円板は爪より軟らかくエックス線写真には写りません。
●あごの関節は,その他の関節には見られない独特の動き方をします
お口を開けると,下あごの付け根である下顎頭は,クッションの役割をする関節円板と一緒に前方に滑走(滑るように移動)し,骨のくぼみである下顎窩から離れていきます.その他の関節では,くぼみから関節の頭が外れる動きはありません。ですから,お口を開ける時の下顎頭の動きは,あごが外れたように見えますが,顎関節ではこれが正常な動きなのです。
お口を閉じているとき、関節円板は下顎頭と下顎窩の間にあります。
お口を開けると、下顎頭と一緒に関節円板も前に移動します。
●関節円板がずれると、お口を開ける時に「カクカク」と音がしたり、お口が開きにくくなります。
帽子のように下顎頭がかぶさっている関節円板が前方にずれると、お口を開ける時に下顎頭が関節円板にかぶり直す際に「カクカク」と音がします。さらに関節円板が下顎頭の前方移動の邪魔をするとお口は開きづらくなります。
●顎関節症とは?
「あごが痛む(顎関節痛)」、「お口が開かない(開口障害)」、「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」、これらのうち1つ以上の症状があり、他の疾患がない病態を「顎関節症」といいます。
<顎関節の自己チェック法!>
①お口を大きく開いた時、人差し指から薬指を並べた3本指を縦にして入りますか?
(1.すっと入る 2.ほぼ問題ない 3.どちらともいえない 4.やや困難 5.まったく入らない)
②お口を大きく開け閉めした時、あごの痛みがありますか?
(1.まったくない 2.たまにある 3.どちらともいえない 4.しばしばある 5.いつもある)
③お口を大きく開いた時、まっすぐに開きますか?
(1.いつもまっすぐ 2.たまに曲がる 3.どちらともいえない
4.しばしば曲がる 5.いつも曲がる)
④干し肉、するめ、タコなど硬いものを食べるとあごや顔が痛みますか?
(1.痛まない 2.たまに痛む 3.どちらともいえない 4.しばしば痛む 5.いつも痛む)
以上の質問票で合憲点数が9点以上の方は顎関節症かもしれませんので、まずはお近くの歯科医院にご相談ください。
<参考>おくちからはじめましょう からだの健康 より