●まずは歯医者さんに慣れましょう●
初めのうちは「歯医者さんは楽しいところ」を印象づけます。3歳くらいになったら、歯科医と家庭で確実にむし歯予防をしましょう。歯科医院では、次の3つの戦略で子どもの歯をまもります。
<むし歯をつくらない3つの戦略>
①フッ素
フッ素は歯の表面を整え、硬くする作用や、むし歯菌の働きを抑える作用をもっています。歯科医院で塗布してもらうと効果はさらに高まります。
②シーラント
むし歯になりやすい奥歯の溝を樹脂で埋めて、汚れがたまらないようにして、むし歯の発生を防ぐ方法です。
③プロによる歯のクリーニング
歯科医院では、通常の歯みがきでは除去できない歯垢(バイオフィルム)を器具を使って取り除きます。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)といいます。
●3歳になったら自分でみがく習慣づけを●
幼児用のハブラシを使い、自分でみがく練習を始めましょう。全体をまんべんなくみがくことができたら、ほめてあげてください。グチュグチュペッができるようになったら、フッ素配合の歯みがき剤を使うとむし歯予防に効果的です。
●3歳からの嚙む力をつける食事●
最近、子どもにも生活習慣病が増えていますが、よく噛んで食べることで生活習慣病の危険因子である肥満を防ぐことができます。
~生え始めた未熟な永久歯を守りましょう~
●6歳ごろから生えかわりが始まる●
永久歯の歯の芽はあごの中で時間をかけて成長し、6歳くらいになると顔を出し始めます。最初に生える奥歯の永久歯は、第2乳臼歯の後ろに生えてくる第1大臼歯(6歳臼歯)で。13歳ごろまで永久歯への生え変わりが続きます。
<6歳臼歯を守る>
6歳臼歯は噛み合わせの要で、「歯の王様」ともいわれています。生え始めは歯ぐきが歯に覆いかぶさって、奥に生えていることから、汚れがつきやすくむし歯になりやすいのです。6歳臼歯を早期に失うことは、食べる機能にとって大きなダメージです。
●生え変わり時期の歯みがき●
ポイント①
歯の生え変わり時期は乳歯と永久歯が混在するため、歯みがきが難しくなります。乳歯期用のハブラシは毛が短いものが多いため、永久歯の溝に届きにくく、みがき残しがおきやすくなります。生えたての永久歯の表面は酸に弱く、むし歯になりやすいのです。よりていねいにみがくことを心がけましょう。
ポイント②
歯と歯の間の汚れを落とすための補助として、デンタルフロスを使いましょう。
①歯と歯の間にフロスを入れ、スライドさせながらゆっくり下ろす。
②歯に合せて、上下に数回動かす。
③歯ぐきに触れないように動かす。
ポイント③
生えたての6歳臼歯は、ほかの乳歯より背が低いので、ハブラシを口の横方向から入れてみがくと、みがきやすくなります。
ポイント④
6歳以上ではフッ素配合歯みがき剤を子ども用ハブラシの半分以上のせて、歯みがきを見守りましょう。ブクブクうがいは練習をして、すすぎすぎないように1~2回にとどめます。歯みがき直後の飲食は、避けるようにします。
ポイント⑤
自分でみがけるようになっても、まだ大人のチェックが必要です。保護者みがきは9歳ごろまで続けましょう。
<参照>公益財団法人8020推進財団
「マイナス1歳から始める母と子の歯育て」
~生涯おいしく食べるために~より