<歯周病とは>
歯と歯肉(歯ぐき)の境目に付着したプラーク(歯垢:細菌の塊)・歯石の中に存在する歯周病菌により、歯肉の発赤、腫れ、出血などが起きる病気です。進行すると歯と歯肉の間に深い隙間(歯周ポケット)ができ、そのままにしておくと歯を支えている歯槽骨などの歯周組織が破壊されて、結果的に歯を失う原因になります。
●歯周病の進行
●歯周病は歯の喪失原因 第1位
<歯周病の治療>
歯周病の治療には大きく分けて歯周基本治療と歯周外科治療の二つがあります。歯周基本治療は歯周病の原因であるプラーク・歯石を除去し、炎症症状を改善するために行われます。歯周基本治療だけでは、症状が十分に改善せず、深い歯周ポケットが残っていたり、複雑な歯槽骨の欠損が認められる場合は、歯周外科治療が行われます。
●フラップ手術(歯肉剝離掻爬手術)
フラップ手術は歯周基本治療では除去できなかった歯周ポケットの深いところに存在するプラーク・歯石などをきれいに除去するために行われる歯周外科治療の一つです。歯肉の局所麻酔を行った後、歯肉の切開・剥離してプラーク・歯石を取り除きます。フラップ手術時に歯周組織再生療法を併用することで、失われた歯周組織を再生させる工夫をすることもあります。
<リグロスを用いる歯周組織再生療法とは>
リグロスの成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進する治療法です。フラップ手術で、プラーク・歯石などを取り除いた後に歯槽骨の欠損部にリグロスを塗布し、歯を支えている歯周組織の再生を促します。
●リグロスによる歯周組織の再生
リグロスは、成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の周囲にある細胞を増やし、さらに血管を作って細胞に栄養を送り込みます。こられの作用により歯槽骨などの歯周組織が再生されます。
<歯周組織再生療法で自身の歯を長く温存できる可能性があります>
歯周病は進行するまで自覚症状の少ない病気です。そのため気付いたときには病気が進行して、歯を支える歯槽骨などの歯周組織が破壊され、歯を抜かなければならない場合もあります。
歯周組織再生療法は、その名のとおり歯を支えて歯周組織を再生する治療法です。この治療を受けることで自身の歯を長く温存できる可能性があります。
<歯周病と全身疾患との関係>
近年の研究で、歯周病が超尿病や動脈硬化などの全身疾患と関連している可能性が示されています。中でも糖尿病との関連性は強く、歯周病は糖尿病の合併症の一つであるだけではなく、糖尿病を悪化させる場合があります。また、喫煙は糖尿病と並んで歯周病が危険因子となります。
<フラップ手術後の注意点>
●抜糸するまで手術部位には触らないでください。
●手術当日は、強く口をゆすいだり、飲酒などは控えてください。
●手術部位の歯みがきなどは歯科医師もしくは歯科衛生士の指示に従ってください。
歯周組織再生療法後のスケジュールは患者さんによって異なります。担当の歯科医師もしくは歯科衛生士の指示に従ってください。
参照:科研製薬株式会社 歯周組織再生剤 「リグロスを使用する歯周病治療を受ける患者さんへ ~歯周病の治療と歯周組織再生療法について~」より